Monthly archives: 1月 2014

ビーチダイビングとボートダイビングの楽しみ方

ダイビングで海に潜る方法は大きく分けて「ビーチダイビング」と「ボートダイビング」の2種類があります。海に潜ることを「エントリー」と呼びます。ここではそれぞれの特徴についてご紹介します。

①ビーチダイビング

その名の通り、ビーチから海に潜るダイビングです。ビーチから沖合にあるポイントまで歩いて行き、そして潜行を開始します。ポイントには海底まで長くて太いロープが垂れ下がっており、初心者はそのロープをつたって潜行を開始し、戻ってくる時も、そのロープをつたって昇ってきます。

ビーチからのエントリーの場合、一つ欠点なのが器材を身に着けて酸素タンクも背負ってフィンを履いてポイントまで移動するということです。ポイントに着いた時点では汗だくです。もちろん海に潜りますから汗は問題ないのですが、とにかく重たい、の一言です。またダイビングから戻ってくる時も疲れた状態でビーチを歩いて戻る必要がありますので、体には負担が大きいです。しかし、ダイビングに慣れるまではビーチでの練習も必要になりますし、重たい器材を身に付けて移動するという経験をすることも大切です。

②ボートダイビング

ダイバーたちに人気なのがボートダイビングです。経験本数が少ない場合は内海でダイビングをしますが、慣れてくると外洋に出てダイビングができるようになります。初心者は内海ダイビングですが、内海でもたくさんの生き物や起伏にとんだ地形を見ることができます。

ボートダイビングの場合、器材はまとめてダイビングスポットの軽トラックに積んでボートまで運んでくれます。ボートとは言っても中型の船舶でしっかりとしています。ボートに乗ったら10分ほどでポイントに到着します。

ボートに乗り込んで、器材のセッティングも終えればいよいよエントリーです。エントリーの仕方は大きく分けて2種類です。一つは「ジャイアント・ストロール・エントリー」、もう一つは「バックロール・エントリー」です。どちらにしても、ボートからエントリーする場合、どこからエントリーするのかを船長さんやインストラクターさんが教えてくれますので、指定の場所からエントリーしてください。またエントリー方法も指定されることが多いです。エントリー前にはレギュレーターを加え、呼吸をし、BCDにはたっぷりと空気を入れておいてください。BCDに空気を入れておかないと、沈んでしまう可能性がありますので注意をしてください。

(1)ジャイアント・ストロール・エントリー

これはボートのエントリーする場所に立って、足を大きくまたぐようにして飛び込むエントリー方法です。ボートからやや遠い位置を狙ってください。そうでないとボートに激突し器材が壊れる可能性があるからです。飛び込む際には、マスク、レギュレーターがはずれないように、しっかりと片手で押さえて飛び込みます。例えば、左手の手のひらの下の部分でレギュレーターを、左手の指先でマスクを押さえます。右手は頭の後ろに回しマスクのゴムがはずれないように押さえます。着水したら、レギュレーターをはずさずにそのまま呼吸を続けてください。このエントリー方法は初心者からできる簡単な方法です。

(2) バックロール・エントリー

これは背中から海に入るエントリー方法です。海面からの距離が50㎝ほどの場合はこのエントリー方法が行われます。エントリー箇所に座って海面を確認し、(1)と同様に、左手でマスクとレギュレーター、右手で頭の後ろのマスクのゴムを押さえてゆっくりと背中から入ります。着水したら、水の中で回転せずにそのまま左手と右手で押さえたまま呼吸を続け、自然と海面に浮き上がるのを待ちます。

沖縄だけじゃない!こんなにもある日本のダイビングスポット

「ダイビングに行ってきた!」と友達に報告すると、ほとんどが「沖縄?」と言います。確かに、沖縄はダイビングスポットととして有名ですが、日本のダイビングスポットは何も沖縄だけではありません。

ここではダイバーたちに好まれているダイビングスポットをいくつか紹介します。

1つ目は奄美大島。筆者も行ったことがありますが、「奄美ホール」は特にオススメです。ただし、「奄美ホール」は外洋にあるので経験本数を積まないと外洋では太刀打ちできません。沖縄はサンゴでも有名ですが、奄美大島も負けてはいません。ダイビング中はフィンがサンゴに接触しないようにしましょう。環境を守るのもダイバーの重要な役目です。

2つ目は和歌山県の南端にある串本町。近年は海水の温度が上昇してきているので、串本の海も沖縄化してきていると地元のダイバーは言っています。カラフルな魚も見ることができます。筆者が大好きなのが「備前」というスポット。アザハタという大きな魚が見られるスポットもあります。他にも小さな生物(いわゆる「マクロ生物」)がたくさん見られるスポットも各地に点在しております。串本は波も穏やかで、外海が荒れていても内海は落ち着いていることも多いので、初心者からでも楽しめます。

3つ目は首都圏からでも生きやすい伊豆海洋公園です。溶岩地形のため起伏が激しく、地形も楽しむことができます。流れが速くなるスポットもありますが、「1の根」は初心者からでも楽しめるスポットです。ここは「ダイバーのためのダイビングスポット」とも呼ばれ、ダイバーが快適に過ごせるような施設が充実しています。

4つ目は八丈島。八丈島の自慢は何と言ってもウミガメ。他のスポットでもウミガメは見られますが、八丈島でのウミガメ遭遇裏は他よりも高いと言われています。八丈島は火山島であることから昔に海に流れ込んだ溶岩地形に圧倒されるでしょう。黒潮の影響もあり南方系の暖かな海で見られる生物が八丈島に現れます。八丈島の周囲にダイビングスポットがあり、様々な楽しみ方があります。

そして最後は沖縄スポット。まずは久米島。マンタやザトウクジラにう運が良ければ出会えるかもしれません。そして、石垣島。サンゴ礁は圧巻で、あちこちにダイビングスポットがあり初心者からでも十分楽しめます。西表島も圧巻です。大きな魚や小さな魚、迫力ある地形、永久に残しておきたいサンゴ礁など海の世界がまとまって見られる場所です。洞窟もあり探検気分でダイビングを楽しむことができます。他にも波照間ブルーで有名な波照間島、海底遺跡で有名な与那国島など各地にダイビングスポットがありますので、ぜひ行ってみてください。

ダイビングが楽しめるかどうかは、やはり「海の透明度」「海流の速さ」「生物の種類」「地形」などがあります。ダイバーによってその目的が異なります。「生物が好き」、「洞窟など地形が好き」などいろいろな視点がありますので、ダイビングスポット選びはとても楽しいものです。

一般的なダイビングスポットにある施設の利用方法

ダイビングスポットに行くとダイバーたちの憩いの場となる場所があります。仮に名称を「ダイバーセンター」としておきましょう。初心者にとっては非常に分かりづらい面もありますので、一般的なダイバーセンターについてご紹介します。

初めてダイバーセンターに行くと、まずスタッフから温かなお出迎えと施設の利用の仕方について説明があります。

初心者がまずセンターに行く前に悩むのが「水着」です。「水着を着ていったほうがいいのか」「後から着替えればいいのか」なんていうなかなか質問しづらい内容ですが、結論から言うとどちらでも構いません。更衣室も男女で別々ですので私服で行って現地で水着に着替えることも可能です。ただ、更衣室の中はコインロッカー式というよりはまだまだ「かご」が置いてあるだけで、そこに自分の着替えやタオルを入れておくことになります。貴重品(財布、携帯電話など)はスタッフに預けれるか、センター内のコインロッカーに預けるなどしてください。

ウエットスーツや器材をレンタルする場合は構わないのですが、ご自身でご用意されたものに関しては、いったんセンターまで持ってきて、センターの前にはウエットスーツをかけておく場所(専用のしっかりとしたハンガーが自由に使えます)があります。ただし器材は広げ過ぎると邪魔になるので、ブーツだけ取り出しておいて、残りはメッシュバックに入れたままにしておきてください。メッシュバックは邪魔にならないようにしておいてください。

前後しましたが、センターで手続きを済ませると次に、自分がどのチームなのかを確認してください。そして「今日の体調」「緊急連絡先」「経験本数」などを書いて事務的な手続きを終えてください。スタッフからは「船が出発する30分前には荷物をまとめてトラックに積んで、船着き場まで来てください」という指示があります。それまでは水着でウロウロするのも良し、私服でセンター内でお茶を飲んだりするのも良しです。出発する前までにはお手洗いを済ませておいてくださいね。一回のダイビングで60分(船着き場からダイビングポイントまでの往復時間を含む)は見ておいてください。

センターには、「カメラを真水につけておくためのタンク(ダイビング前、ダイビング後共通使用)」「器材やウエットスーツを洗うためのタンク」、「器材やウエットスーツなどを干すための場所」があります。またシャワー室も完備されており、ウエットスーツを脱いだ後にシャワーを浴びられるようになっております。シャンプーやリンス、ボディソープも完備されております。

食事ですが、予約の際に弁当をセンターに注文しておくことも可能ですし、センターに来る前にコンビニなどで買っておいてセンター内の冷蔵庫で冷やしておくことも可能です。ただ、センターによっては周囲にコンビニがない箇所もありますので、事前に確認をしておいてださい。またセンター内には無料のお茶やコーヒーなども完備されているところが多いです。インスタントですがお味噌汁もセルフサービスであります。

初心者でもできる海中写真撮影

ダイビングをもっと楽しむための必須アイテムが「カメラ」です。もちろん目で楽しむこともできますが、やはり海での記念は残しておきたいもの。そこでダイバーの多くはカメラ器材を揃えます。ここでは、写真撮影で必要な最低限の器材と、海での撮影準備とコツについてご紹介ます。

①写真撮影で必要な最低限の器材

それは「カメラ(デジカメ、一眼レフなど)」、「防水ケース」、「BCDと防水ケースをつなげるケーブル」の3点が必要最低限の器材です。もちろんダイビングスポットではこれらすべてをレンタルすることも可能です。

さらに、もっと器材を揃えたいのであれば「マクロレンズ」「水中専用フラッシュ」があると便利でしょう。フラッシュとカメラをつなげるための「アーム」も必要にはなります。

②海での撮影準備

地上でカメラを防水ケースい入れて、海に潜る前にダイビングスポットで真水の入ったタンクにつけておきます。専用のタンクがありますのでご安心ください。ただ、似たようなカメラや防水ケースがたくさんタンクに入っていますので、どれが自分のものか分かるようにしておいてください。真水につけておく理由は、防水ケースに異常がないかどうかを確認するためです。ちょっとしたひび割れなどあれば、すぐに海水が浸入してくるため高価なカメラが台無しになります。

③海での撮影のコツ

集合時間になればタンクからカメラを取り出して、手で持っていきましょう。スタッフに他の荷物と一緒に預けてトラックに積み込むことも可能ですが、衝撃で壊れる可能性もあるので、必ずご自身で持つようにしてください。海に入る直前に船頭さんやインストラクターさんにカメラをそのまま渡します。そして自分が海にエントリー(入る)すると、船頭さんやインストラクターさんがボートから手渡ししてくれます。そしてBCDと防水ケーブルをつないで、いよいよ海に潜ります。ケーブルをつないでおかないと波でカメラが飛ばされる可能性があります。

事前にカメラの機能を確かめておいてください。カメラによっては水中撮影に適したモードがあらかじめセッティングされているものもあります。「水中ワイド」「自動色補正」などがそうです。最近のカメラは自動で何もかもしてくれるので、ただシャッターを押せばきれいな写真が撮影可能です。あまり細かなことを考える必要も最初のうちはないでしょう。

そしていよいよ撮影です。残念ながら魚は止まってくれませんし、ポーズもとってくれません。魚ばかり追いかけているとチームやバディとはぐれてしまうこともありますので、インストラクターの指示に従いましょう。砂場ではゆっくり着底し、砂を巻き上げないようにしてください。砂を巻き上げるとせっかくの透明な海が濁ってしまいますから。ゆっくり着底し、呼吸を整え、中性浮力を取りながら、狙った魚の写真を撮りましょう。全体を撮影するのも良し、魚の顔を撮影するのも良し。また岩肌がゴツゴツしたところで撮影する場合は、片手で岩をつかみ、片手で撮影するなど工夫をしましょう。

こんなところにいた!かわいい生物たち

ダイバーが海中で楽しむのは何も大きな魚だけではありません。実は「マクロ」の世界があり、そのマクロの世界をいくつか紹介したいと思います。特に女性は「かわいい!」と思えるような生物たちですので、ご期待ください。なかなか自分では見つけにくい生き物ですので、インストラクターに頼ってください。インストラクターは「ここにこんな生き物がいる」というのを経験から知っておりますので、マクロの世界に興味がある方はマクロレンズを用意して写真撮影をしてみてください。

①ウミウシ

ウミウシは貝の一種ですが、硬い殻など見た目には見当たらず、柔らかなボディでできています。体長は1㎝から2㎝程度で、とてもカラフルで、岩にへばりついています。青や白や黄色や様々な色を持つウミウシ。ちょこっと角がはえたようなアオウミウシもいれば、黄色や白色の花が咲いたようなウミウシなど、まるで岩に生息する妖精のようです。動きが非常にゆっくりなのでシャッターチャンスがいっぱいです。特に女子は夢中になって写真撮影をしている現場をよく見かけます。

②エビ

「エビ」というと皆さんは比較的大きな伊勢海老やバーベキューや焼き肉などで定番のエビ、それからクルマエビなどを想像されると思います。しかし、筆者が感動したマクロの世界のエビは、「えっ、これがエビ?」「こんなに小さいの?」「かわいい!」のエビばかりでした。例えば「フリソデエビ」。白地に濃いピンクの斑点のような模様があり、「はさみ」も同様にピンクの丸い斑点があるため通常のエビと比べるとなぜか弱々しく感じられます。全体的に鎧を着ている印象を受けます。それから「アカシマシラヒゲエビ」。夏によく見られるエビですが、名前の通り、「ひげ」が特徴的です。白く長いひげが頭の先から何本もでており、とても長く目立ちます。アカシマシラヒゲエビは「お掃除屋さん」で、魚の表面を掃除するという役目を果たしております。実際は、魚の表面についている寄生虫を餌にして、魚と共に共生をしております。そして「カクレエビ」。本当に小さく、人差し指の指先くらいの大きさなので、なかなか発見しづらいです。カクレエビはウミウシやヒトデと共生していたり、サンゴの中にいたりするので、かなり見つけにくいです。透き通ったボディで、強制する生物の色に染まると言われています。見つけにくいエビなので、見つけたらとてもラッキーです。

③ジョーフィッシュ

ダイバーたちの間では「ジョー君」という愛称で親しまれている魚。砂底に穴を掘って生息し、穴から顔をちょこっと出してあたりをうかがっています。ジョーフィッシュは口を使って砂を吐き出す行動をとります。それがとてもかわいくて仕方がありません。ジョー君のそんな愛らしい姿を写真に収めようとダイバーたちが群がります。砂と同色をしていることが多いのでなかなか見分けがつかないのと、警戒心が強いのでダイバーが近づくとすぐに巣穴に隠れてしまいます。そのため、次に巣穴から出てくるまでダイバーは静かに砂場の上でカメラを持ったままシャッターチャンスを狙って待っています。

潜ったらいろんなお魚があなたをお出迎えしてくれます

ダイビングの魅力と言えば「さかな」です。普段、鮮魚売り場で目にするような魚もいますが、無数のカラフルな、そして元気いっぱいのお魚たちがダイバーを迎え入れてくれます。単独行動をしている魚もいれば、群れになって悠々と泳いでいる魚もいます。ここでは、初心者がダイビング中によく目にする魚たちについてご紹介します。

①クマノミ

映画でも有名になりましたが、横にに白い帯が2本入っています。体の色は黄色がメジャーですが、中には黒色のクマノミもいます。クマノミはとても人懐っこく、ダイバーが近づいても逃げることはありません。逆に「写真撮って!」とおねだりするような感じもする、かわいらしい魚です。クマノミはイソギンチャクと共生しているので、すぐにイソギンチャクの中に隠れて様子を窺うようなしぐさをします。生まれたてのクマノミは米粒みたいに小さくて、「えっ、こんなところに!」と思わせられます。

②チョウチョウウオ

まるで「水枕」が泳いでいるかのような魚です。体の色は茶色~黄色で、縦にいくつもの筋が入っています。群れで泳いでいる時もあれば、単独行動をしている時もあります。中には「タイガースカラー」と呼ばれるような黄色と白色の帯がはっきりしたチョウチョウウオもいます。

③ハゼ

サンゴ礁や砂底にいてテッポウエビ類と共生をしています。体が白とオレンジの横帯が特徴で、体長は10cm程度。ダイバーが近づくと砂底の巣穴に隠れてこちらの様子を見る姿はとても愛らしいです。ハゼはたくさん種類があって、「ヤノダテハゼ」などが有名です。

④アカヒメジ

1本の黄色い縦帯が特徴的な魚。よく群れで行動していることが多く、サンゴ礁のあたりで見かけることが多い。

⑤ハコフグ

まるで小さな箱ががんばって泳いでいるかのような魚。マニアにとっては正面から写真撮影をしたくなるような、愛嬌のある魚です。特にミナミハコフグは人気者。黄色に黒の斑点があり、正面から見ると小さな子供が叱られた時にほっぺたをふくらましているような、そんなかわいい魚です。幼魚で体長3㎝ほどです。

⑥クダゴンベ

口先が長く、格子模様が特徴的。背びれも格子模様で使われている色と同じでやや濃いオレンジ色と銀色に近い白色の帯がある。

⑦イラ

顔が特徴的ですぐに分かる。体長はやや大きく40㎝前後。顔は無表情で、どこを向いているのかよく分からないような感じがする。ダイビングをしていると突然ヌッと現れれる。単独行動が多く、ダイバーが近づいても逃げることはない。マイペースで泳いでいる。

⑧ミノカサゴ

背びれ、胸ヒレが扇風機のようにくるくる回っているのが特徴的で、よくゴツゴツした岩のあたりに隠れている。正面から見ると、まるでお花が咲いたような印象を受ける。横帯が無数にあり、体長は20㎝前後。インパクトのある魚ではあるが、毒を持っている魚であるので、刺されると痛むため注意が必要。特に何もしなければ攻撃されることもない。

この器材があるともっとダイビングが楽しめる!

ダイビングを始めてすぐの場合は、「ウエットスーツ(またはドライスーツ)」「BCD」「レギュレーター」「オクトパス」「マスク」「グローブ」「ブーツ」「フィン」「シュノーケル」「ゲージ」の10点があればレンタルするよりも海を楽しむことができます。

さらに、海での活動を広げていくのに役に立つ器材についてここでは紹介します。

①ダイブコンピュータ

通称「ダイコン」。腕時計型ですが、高機能。海に潜り始めた時刻、海の中でいた時間、海の外に出た時間が正確に分かります。また、今自分が潜っている水深に対してあとどのくらいの時間いられるかも自動で表示してくれます。特に、海から上がる前に「安全停止」をしなければならないのですが、何分安全停止をしていたらいいのかを教えてくれます。海の中ではこのダイコンから発するアラームがかなり頼りになります。時間だけではありません。ダイコンには水温、最大水深なども表示されたり、浮上スピードが速まるとアラームなどで知らせてくれる機能もあります、そして一番重要と言える「体内の窒素残量の目安」も表示してくれます。

【体内窒素とは?】

人は海に潜るととてつもない水圧に実はさらされています。しかし、自分では全く気づきません。それと同時に、窒素も体に取り込まれています。普通は窒素は体内に取り込まれると血液に溶け込むのですが、何らかの事情で急浮上したりすると、窒素が気泡化してしまい、血液に溶け切らずに残ってしまいます。そのため体に悪影響を及ぼすことがあります。これを減圧症と呼びます。

窒素を必要以上に体内に取り込まないようにするため、水深と海の中での滞在時間を計算して、ダイコンは体内の窒素残量の目安を表示します。常にリアルタイムで表示してくれるため、「もうちょっと潜りたいな」と思っても体への負担も考えて、早めにダイビングから切り上げる必要もあります。

(価格帯)2万円~

②マスク曇り止め

これはぜひ携帯しておきたいアイテムです。マスクが曇ってしまうとせっかくのダイビングも台無しです。自分が持っていなくてもインストラクターは持っていますので借りるようにしてください。ボートダイビングの場合、ゴーグルの内側に曇り止め(ジェル)を塗り、潜る直前に真水や海水などで濡らして曇り止めを伸ばしてください。

(価格帯)500円前後

③メッシュバッグ

ダイビングに慣れてくるとほとんどボートダイビングを楽しむようになります。ボートダイビングの場合、船着き場まで歩いていくのですが、重たい器材などはすべてひとまとめにしてダイビングスポットのスタッフが軽トラで自分が乗船する船まで運んでくれます。そのときに自分の器材をまとめて保管しておくためにこのメッシュバッグがあった方が良いです。メッシュなので海水がかかっても大丈夫です。

(価格帯)5千円前後

④BCDとカメラをつなぐケーブル

ダイビングの魅力の1つはやはり「写真撮影」。デジカメや一眼レフカメラなどを持ってダイビングをする人は多いですが、やはり海にはうねりがありますので、手で持っているだけだと一瞬でカメラが流されてしまいます。そうならないようにするために、BCDとカメラ(実際はカメラを覆う防水用のケース)とをつなぐケーブルを用意しておくのがおススメです。

(価格帯)500円~

スキューバダイビングに必要な器材と費用

スキューバダイビングで必要な器材はすべてレンタルすることも可能ですが、やはり長く続けていくためには「マイ器材」を揃えたほうがベターです。自分に合った器材を身に付けてダイビングすれば気分も楽しくなりますので、初期費用はかかりますが、ぜひ器材を揃えることをおすすめします。

初心者が最初に揃えておきたい器材は10点です。

①ウエットスーツ

レンタルだとサイズが合わないとか、色が好みでないとかしますので、自分の体形にフィットしたオーダーメイドにするか、既製品を用意するのが良いでしょう。オーダーメイドの場合は注文から納品まで2週間程度見ておいてください。

ウエットスーツを選ぶ上で一番大切にしてほしいのが「保温力」。ダイビングをする場合は水着の上にウエットスーツを着用しますが、夏場でも水温が低い場合がありますので保温性の優れたものを選びましょう。ウエットスーツは体に密着するので、慣れるまでは非常に窮屈に感じます。ラッシュガードを用意しておくと、着脱もスムーズですし、海からあがった時も体の冷えをおさえてくれます。

寒くなるとウエットスーツでは対応できませんので、「ドライスーツ」の購入もご検討ください。ドライスーツは首と手首から海水が入ってこないようにしなければならないので、首と手首のフィット感を必ず確かめてください。そうでないと真冬の海水が体に入ってきて、ダイビングどころではなくなります。普段着の上にドライスーツをそのまま着ることができるので、海から上がればドライスーツを脱ぐだけで良いのも利点です。とは言ってもドライスーツの下はスウェットを着ている方がほとんどですが。

(価格帯)ウエットスーツ:1万5千円前後~(オーダーメイドだと4万円前後~) ドライスーツ:7万円前後~(オーダーメイドだと10万円前後~)

(※お金を借りても完済できれば問題なし!ダイビング費用の工面はこちらで→http://mottomobi.com/m91/

②BCD

リュックサックのような感じでウエットスーツに上に着用する器材です。空気を入れたり出したりして浮力を保つために使用します。

(価格帯)2万円~

③レギュレーター

酸素タンクと接続し、レギュレーターを口にくえわえて呼吸をします。実際はマウスピースがついているので、それを「噛む」ようにくわえます。

(価格帯)3万円~

④オクトパス

ダイビング中にレギュレーターが壊れてしまったりなどして使えなくなった時のために使用します。

(価格帯)1万円~

⑤マスク

鼻から目全体を覆います。ダイビング中は「口呼吸」になります。海の中をはっきりと見たりするだけでなく、海水が目に入らないように目を保護します。普段コンタクトレンズを着用の方はそのままコンタクトレンズを着用したままマスクをつけることが可能です。度が入っているマスクもあります。

(価格帯)7千円前後~

⑥フィン

ダイビングは泳げなくても楽しめます。それはこの足につけるフィンのおかげです。フィンがあることで速く泳ぐことができます。

(価格帯)7千円前後~

⑦グローブ

海の中の生物は安全なものばかりではありません。毒をもっているもの、棘があるものなど様々です。また岩もたくさんありますので、手を保護する意味でもグローブは必須です。

(価格帯)2千円前後~

⑧ブーツ

足を保護、保温するためにも必須です。また滑りにくい構造になっております。

(価格帯)3千円前後~

⑨シュノーケル

ダイビングでは酸素が大切です。酸素を無駄にしないためにもシュノーケルが使える場合は使ったほうが良いです。

(価格帯)2千円前後~

⑩ゲージ

ゲージには「残圧計(酸素があとどのくらい残っているか)」「コンパス(方位磁石のようなもの)」「水深計」がついています。

(価格帯)1万円~

基本的なライセンスの種類とライセンスの取得方法

ここでは①ライセンスの種類と、②それぞれのライセンス取得方法についてご説明します。

そもそもスキューバダイビングのライセンス発行は民間団体が行っているのですが、ここでは日本で最も発行数が多いPADIを例に説明させていただきます。

スキューバダイビング初心者が目指すライセンスは2つあります。1つは「オープン・ウォーター・ダイバー(以下OW)」、もう1つは「アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー(以下AOW)」です。最初はOWの取得を目指しましょう。しかし、次第に「もっと深く潜りたい」「もっといろんな魚を見たい」と思うようになりますので、その時にはAOWを目指してください。

【オープン・ウォーター・ダイバー(OW)】

15歳以上ならば誰でも取得できます。学科講習、プール講習、海洋講習を終了すれば「オープン・ウォーター・ダイバー」用のCカード(ライセンス)が発行されます。水深18mまで潜ることが可能です。これでも十分楽しめますが、水深18mまでしか潜れないので、ダイビングポイントが限定されてしまいます。

OWのライセンスを取得する場合の費用は平均6万円前後となります。

【アドヴァンスド・オープン・ウォーター・ダイバー(AOW)】

こちらはOWの資格を持っていれば取得できるライセンスです。OWと同様に学科のテキストをもらいますが、実際に学科講習があるわけではありません。いきなり海洋講習からスタートするので、事前に予習が必要です。海洋講習は基本2日間。水中ナビゲーションとディープダイビングを海洋講習では必ず学びます。そのほかにも学ぶことがありますが、実際にダイビングをしながら学べるので楽しく身に付きます。AOWの資格を持っていると30mまで潜ることができます。潜ることができるダイビングポイントも増えて、ボートダイビングも楽しむことができます。OWよりも深く潜れるのですから、今まで見ることができなかった深いところに生息している生き物を楽しむことができます。1日目の海洋講習、2日目の海洋講習が終わった後、それぞれテキストを使ってインストラクターが確認をしてくれますが、テストはありませんのでご安心ください。

AOWのライセンスを取得する場合の費用は平均7万円前後となります。

【スペシャルティ】

「スペシャルティ」とは英語では「専門」という意味ですが、OW以上になると海での活動範囲が広がります。OW・AOWとも基本技術である「魚の見分け方」を学ぶことができますし、また寒い冬でも潜ることができる「ドライスーツ」の使い方も学ぶことができます。や「水中写真撮影」の仕方を学ぶのも人気です。これらは追加費用1万円~で受講できます。

【OWやAOW以外のライセンス】

他にも「レスキュー・ダイバー(以下RED)」や「ダイブマスター(以下DM)」、「インストラクター(以下IDC)」というライセンスがあります。海に潜ることが楽しくなり、「それを人にも伝えたい」という方はどんどんステップアップできます。ご自身の目標に合わせてライセンスの取得を目指してください。

憧れのスキューバダイバーデビューまでの流れ

「ダイビングをやるぞ!」と決めて、海に行って潜るだけではダイバーにはなれません。ここでは「ダイバー」になるための手順を分かりやすく解説します。
(ここでは最も基本であるCカード取得を例に説明します)

①ダイビングショップに行く
②講習を申し込む
③学科講習
④プール講習
⑤海洋講習
⑥Cカード(ライセンス)が発行され、いよいよダイバーデビュー

では、それぞれについて詳しく解説します。

①ダイビングショップに行く
東京や名古屋、大阪、福岡など比較的都心の駅近くにダイビングショップがあります。とても利便性が良く、お仕事帰りやショッピングのついでに気軽に立ち寄れます。まずは、お近くのダイビングショップにて説明を受けてください。

②講習を申し込む
通常、講習は3~4日ほどで済みます。まとまった休みや時間が取れなくても大丈夫です。スケジュール調整も柔軟に対応してくれるショップが多いですので、1日目の講習の次は1週間後、とかでも可能です。ショップによって順番は異なりますが、基本は「1日目が学科講習」、「2日目はプール講習」、「3日目、4日目が海洋講習」となります。海洋講習は2日連続で行われます。学科講習はお申し込みをしたダイビングショップで行われるのが普通です。プール講習はお申し込みをしたダイビングショップの近場で行われます。海洋講習はダイビングショップ指定の海で行われますが、プール講習も海洋講習もほとんどがダイビングショップのスタッフが現地まで送迎してくれます。

ライセンス取得までにかかる費用は、学科講習とプール講習、海洋講習の3つを合わせて平均5~6万円程度。そこに海洋講習の場合は2日間連続なので宿泊費が必要となります。宿泊場所はダイビングショップと提携している宿泊所またはご自身で探されても大丈夫です。もちろん、3日目の海洋講習のあと一度自宅に帰り、再度4日目に海洋講習を受けに行くことも可能です。宿泊費や食費、交通費など込みで考えると10万円程度になります。

ダイビングショップでは「キャンペーン」を行っていますので、キャンペーン期間を狙ってライセンスを取得するのも費用を安くするコツです。

③学科講習
学科講習は申し込みをしたダイビングショップで行われます。事前にテキストやDVDを渡されることもあり予習をすることも可能です。講習ではDVDを見ながらテキストに沿った内容でインストラクターから説明があり、最後にはテストがあります。テストは学科講習の内容の確認テストですが、間違えた場合でもインストラクターが丁寧に教えてくれます。

④プール講習
ダイビングショップから比較的近い場所に専用の室内プールがあります。そこで機材のセッティング方法、水中での呼吸の仕方などを学び、最終的には8mの深さまで潜る練習を行います。少人数のグループで行われることもありますので、グループ内のメンバーとぜひ交流を深めてください。

⑤海洋講習
2日間かけて実際に海で実習を行います。機材のセッティングを確認し、沖合までフィンをつけて歩きます。初めは緊張しますが、実際に海の中を覗くとそこはカラフルな魚たちが泳ぐ世界。きっとあなたも海の魅力に取りつかれるでしょう。沖合にあるポイントから海底に太いロープがつながっており、それを伝ってゆっくりと下降します。中性浮力の取り方、海の中での合図などを学んだり、実際に魚を観察したりします。海から上がれば「ログ付け(記録を控えること)」をインストラクターと共に行います。

⑥講習が無事に終わると1~2週間後にCカード(ライセンス)が発行されます。これであなたもダイバーデビューです!