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耳が痛い!どうなってるんだ?

飛行機の離陸時やエレベーターで高層階に向かう時など、今いる場所から高い場所などに急激に移動したときに、耳に違和感を覚えることはありませんか。何か、耳が詰まったような、聞こえにくくなったような、そんな感じの経験があると思います。ひどい場合は痛みが伴うこともありますが、皆さんはいかがでしょうか。

その違和感をなくすのが「耳抜き」です。海に潜ると気圧の関係から耳が痛くなることがあります。これは個人差もありますので、全く痛くならないダイバーもいます。また、普段は痛まないのに、今回は耳が痛くなったというダイバーもいます。痛みをそのままほっておくと、難聴になったり、最悪の場合は耳が聞こえなくなる恐れがありますので、耳抜きの練習は必ずしておいてください。

実は気圧だけが原因ではありません。体調も大きく関わってきます。前日にアルコールを飲みすぎたり、睡眠不足であったり、風邪を引いていたりするとダイビング中に耳が痛くなりやすいです。愛煙家もご注意ください。ダイビング前日は無理をしないように体調を整えてください。

ダイビングではどのようなタイミングで耳が痛くなるかというと、一番多いのが海面から潜って着底するまでの間です。ポイントから海底に垂れているロープをつたって潜行するのですが、およそ15mほどの距離を潜ります。ゆっくりとロープをたどりながら潜りますが、その際に徐々に耳が痛くなります。

【耳抜きの方法】

様々なやり方ありますが、①唾を飲む、②レギュレーターをしっかりくわえ、マスクの上から鼻をつまんで、くしゃみするような感じで耳から空気を出す、という方法が一般的です。

耳抜きが苦手な人は、海にエントリーしたあと海面でまずは耳抜きの練習をしてください。また、潜行中も5m潜ってはいったん耳抜きをし、また5m潜っては耳抜きをするなど、着底前に何度か耳抜きを行ってください。とにかく何か耳が聞こえづらいなどの違和感を感じ始めたら、耳抜きをスタートすることが肝心です。痛くなってから耳抜きをしても手遅れになる場合もあります。

また潜行中に耳抜きができなくなってしまった場合は、いったんBCDにエアを少し入れてゆっくりと1mか2m浮き上がってから耳抜きにチャレンジしてください。

普通は両耳が痛くなり、両耳に対して耳抜きを同時に行いますが。人によっては片方だけ耳が痛くなることもあります。その場合も同じように唾を飲んだり、マスクの上から鼻をおさえて「フンッ!」とやれば解消しますが、それができにくい場合は、違和感を覚えている耳を上向きにしてから耳抜きにチャレンジしてださい。そうすると耳抜きがしやすくなります。

いろんな手法を試してみても、それでも「耳に違和感」が残る場合は、耳鼻科に行ってください。私も一度耳鼻科に行きましたが、耳が原因ではなく自分でも感じていない鼻づまりが原因で耳が痛くなることが分かりました。万が一、1本目で違和感を感じたら、2本目のダイビングは中止にするなどの対応もとってください。

安全停止を怠ると体に負担がかかります

「すべてのダイビングでは安全停止をしなければならない」と思わなければなりません。安全停止とは、ダイビングを終了する前にしなければならないことです。具体的には、ボートに戻る場合、海底からボートにつながっているロープ(エントリー時に使用したロープ)をつたって海面に浮上しますが、海面から5mのところで3分間以上停止することを「安全停止」と呼びます。

ダイビング中は海水に溶け込んだ窒素が体内に吸収されます。窒素の量が体内で多くなるといわゆる「窒素酔い」というのが起こり、最悪の場合は死に至ることもあります。ですから、いったん安全停止を行い、体内にある余分な窒素を排出する役割がこの安全停止にあります。

地上にいると空気を感じることがありませんが、高所ではお菓子の袋は膨らむのをご存知でしょうか。それは高所では「気圧が低くなる」からです。つまり物体に対して空気が押す力が減るからです。地上でいるときの袋にかかる圧力(つまり押す力)は、高所では弱まるので逆に袋が膨らむのです。

これと同じことが海の中でも起こります。深く潜れば潜るほど水圧は大きくなります。従って、体への負担も知らず知らずのうちに大きくなるのです。当然水中に溶けている窒素も深いところでは小さくまとまっていますが、海面に上がれば上がるほどそのまとまった窒素は大きく膨らみます。つまり海面では水圧が低いからです。窒素は大きく膨らむと気化する働きがあります。気化した窒素は泡になり体内のあちこちで悪い働きをするようになります。そこで安全停止を行い、体内に残っている窒素を排出する必要があります。

ただ、エア切れや事故などで安全停止をしている余裕がない場合があります。その場合は安全停止をせずに急浮上しなければなりませんが、かなりリスクを伴います。

急浮上する場合は、左手を上にあげ、顔も上にあげた状態で「ア~」と叫びながら急浮上することで万が一の危険性を回避することができます。

安全停止のタイミングはインストラクターが伝えてれます。「ここで安全停止をしましょう」と合図をしてくれますし、3分間測ってくれていますので安心してください。

ただ、チームの人数が多いとインストラクターは全員の様子を見ておかなければならないので、できればダイブコンピュータを使用することが望ましいです。ダイブコンピュータは腕時計型で、しかも機能が満載です。自分が今水深何メートルのところにいるのかが分かりますし、また安全停止が始まったら自動で3分カウントしてくれます。それに、通常は海面から5mで安全停止ですが、海の中は波があるので、常に5mで停まっているわけではなく、4mの位置になったり、6mの位置になったりします。ダイブコンピュータはそれも計算して「あと何分安全停止が必要である」ということをタイマーで伝えてくれ、時間がくるとアラームでダイバーに知らせてくれます。さらに、体内窒素残量の目安も自動で計算してくれるのでよりダイバーを危険から守ってくれる働きがあります。

もうこれで悩まない!機材のセッティング方法

慣れるまでが大変なのが器材のセッティング方法です。
レンタルであってもショップで購入しても、海でセッティングをするのが自分ですでので速くセッティング方法を覚えてください。

ショップで購入したレギュレーターとオクトパス(レギュレーターの予備)とゲージ(方向、水深などが分かるもの)はショップ側で接続した状態で納品されます。またレンタルの場合もレギュレーターとオクトパス、ゲージは一体化しているので、これは問題ありません。

さて、今あなたのメッシュバッグには「BCD」「レギュレーター(兼オクトパス・ゲージ)」「マスク」「シュノーケル」「フィン」「グローブ」「ブーツ」が入っていると仮定してください。事前にマスクとシュノーケルは接続しておきましょう。シュノーケルを差すだけですので簡単に接続できます。「フィン」「グローブ」「ブーツ」も問題なし。ややしいのが「BCD」「レギュレーター」「マスク」です。

ボートに乗る場合で説明します。ボートには20人くらいが座れるようになっており、一人ひとりの席に穴があいています。この穴に酸素タンクが置かれます。タンクはスタッフが運んでくれますので、自分で置く必要はありません。しかしダイビングが終わって海からあがった後は、自分で穴にタンクを入れる必要があります。ボートに乗ったら必ずウェイトとウェイトベルトをもらうことを忘れないようにしてください。これがなければ海で浮き上がってしまいます。

ボートに乗ったら出航する前にまずは酸素タンクから正常に空気が出ているか、その空気から異臭がしないか確認します。ブルブにはOリングという黒い丸い形のリングがついており、これがあることで空気の漏れを防ぐのですが、何かひょうしにこのOリングがなくなっていることがありますので、これがないと空気が漏れてしまい危険になりますから、すぐにタンクを取り換えてもらうようにしてください。

次に「BCD」「レギュレーター」「酸素タンク」をつなぎます。タンクの上部の突起にBCDの背面をひっかけます。BCDの背面の上部に輪になっている箇所があり、それにタンクの上部のバルブ部分を通します。そしてBCDの背面の中ほどに太いマジックテープがありますので、タンクがはずれないようにギュッと閉めます。これがゆるいとダイビング中にタンクがはずれる可能性があります。

そしてレギュレーターとタンクのバルブを接続します。レギュレーターからはケーブルがいくつか出ているので、ダイビング中にバラバラにならないようにBCDに専用の通す穴がありますから、そこに通してまとめておきます。レギュレーターとタンクを接続したら、タンクのバルブを回し空気の残圧を確認します。確認がとれたらその数値を覚えてきます。バルブを完全に閉めてセッティングはおしまいです。

ボートがダイビングポイントまで来たら、タンクのバルブを全開にしてください。バルブを閉めたまま海に飛び込むことは危険です。

マスクは曇り止めをしてからマスクを着けてください。マスク内部に前髪が入らないようにしてください。少しでも空間があるとそこから海水が入ってきますのでご注意ください。