海から上がったら気分が悪くなってきた、なんかおかしいぞ

せっかく楽しみにしていたダイビングも次のようなことがあれば中止せざるを得ません。

①ダイビング前にアルコールを飲んだり、風邪薬などの薬を飲んだりした場合
②風邪をひいている場合
③高血圧の場合
④ダイビング直前の喫煙

以上の4つはダイビング中に判断力が鈍ったり、肺に障害を起こす可能性があるので謹んでください。

これだけではありません。ダイビング中に気分が悪くなることもあります。その原因は複数あり、1つは「船酔い」です。ボートエントリーする場合、ポイントまで10分ほどかけて船で移動しますが、その間に船酔いをしてしまう方もいます。そのためダイビング30分前に「酔い止め薬」を飲むと良いでしょう。酔い止め薬はダイビングスポットの受付でも購入ができます。普段車酔いしなくても船酔いをする可能性はありますので、できれば飲んでおく方がよいでしょう。

それから「窒素酔い」にも気をつけてください。深く潜れば潜るほど水圧の関係で空気に溶けていた窒素が体内の細胞に溶け込みます。空気は79%の窒素と21%の酸素で成り立っているとというのはご存知の方が多いですが、人間には窒素は不要な成分です。そのためその窒素を輩出しなければならないのです。窒素をうまく輩出できなければ「窒素酔い」を起こしてしまい、ちょうど酔っぱらいのような症状になりますので、この状態ではダイビングを続けることができません。判断力が鈍り、気分が高揚するため周囲に対する配慮が欠けてしまうこともあります。窒素酔いになれば浅瀬に移動をしてください。そうすると楽になります。

最後にですが、ダイビング終了後に気分が悪くなることがあります。その場合は「減圧症」を疑ってください。めまいがしたり、脱力感に襲われたり、呼吸困難や関節痛などがある場合は至急医師にかかることをお勧めします。最悪の場合意識不明の重体に陥る可能性があるからです。減圧症の厄介なところはダイビング終了後すぐに症状が出るというわけではありません。少し時間を置いてから現れることもあります。またダイビング後にすぐに飛行機に乗ったりするなど高所に移動することで減圧症になる恐れがあります。

減圧症は、体内の細胞に吸収された窒素の気泡が膨張し泡状になることによって引き起こされます。通常は海面より5mで安全停止を3分することによって体内に残っている窒素を排出することになります。この気泡が体内のあちこちでできるため様々な症状を引き起こすのです。

減圧症にならないためにも日ごろからの健康管理に留意することと、ダイビング前の飲酒、喫煙を控え、睡眠をしっかりととることを心がけてください。またダイブコンピュータを利用して海での滞在時間をきちっと管理することも大切です。初心者ダイバーは必ずインストラクターの指示を守り、途中で気分が悪くなればインストラクターやバディに遠慮なく伝えることがあなたの命を守るためにももっとも大事なことです。